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就活ガイド・ノウハウ

2025.08.24

「面接準備しない方がいい」は本当?実は大切なバランスの話

「面接準備しない方がいい」は本当?実は大切なバランスの話_1

就活中に「面接準備なんてしない方がいい」という話を聞いたことはありませんか?一方で「準備は絶対に必要」という声も多く聞かれます。一体どちらが正しいのでしょうか。

実は、この問題の答えは「どちらも間違いではない」のです。重要なのは準備の「質」と「バランス」なんです。今回は、面接準備をしない派の気持ちも理解しつつ、本当に効果的な準備の仕方について一緒に考えてみましょう。

「面接準備をしない方がいい」と言われる理由

準備しすぎると機械的になってしまう問題

面接準備を徹底的にやりすぎると、確かに問題が起こることがあります。質問に対して「これはあのパターンの回答だ」と機械的に答えてしまい、まるでロボットのような印象を与えてしまうのです。

面接官は人間同士の自然な会話を求めています。あまりにも完璧すぎる回答や、明らかに暗記してきた感じの話し方は、かえって「この人の本当の姿が見えない」と思われてしまいます。特に「御社の理念に深く共感し」といった教科書通りの表現を連発すると、本心が伝わりにくくなってしまうのです。

準備をしすぎた結果、想定外の質問が来たときに頭が真っ白になってしまうケースもあります。練習した質問しか答えられない状態になってしまうと、柔軟性がないと判断されてしまう可能性があります。

素の自分を見せたいという気持ち

多くの人が「ありのままの自分を見てもらいたい」と感じています。面接対策で作り上げた「理想の自分」ではなく、本来の自分で勝負したいという気持ちは自然なものです。

確かに、入社後に「面接の時と全然違う」と思われるよりも、最初から本当の自分を理解してもらった方が、お互いにとって良い結果になります。無理に取り繕った結果、入社後にギャップで苦しむよりも、素の自分で受け入れてもらえる職場を見つけた方が幸せかもしれません。

また、緊張しやすい人にとって、準備しすぎることで逆にプレッシャーが増してしまうこともあります。「完璧に話さなければ」という思いが強すぎると、本来の魅力が伝わらなくなってしまいます。

時間をかけても報われない不安

就活は本当に忙しいものです。エントリーシートの作成、企業研究、説明会への参加など、やることが山積みです。その中で面接準備に多くの時間を割いても、実際の面接では全く違う質問をされることも珍しくありません。

「あんなに練習したのに、練習した質問は一つも聞かれなかった」という経験をした人も多いでしょう。そんな体験をすると「準備なんて無駄だ」と感じてしまうのも無理はありません。

特に、複数の企業を受ける場合、それぞれに合わせた準備をするのは現実的に困難です。時間の制約がある中で、効率的に就活を進めたいと考えるのは当然のことです。

でも実際のところ、準備なしは危険すぎる

面接官が感じる「準備不足」のサイン

面接官は多くの学生を見てきたプロです。準備不足はすぐにバレてしまいます。最もわかりやすいのが、企業について基本的な情報を知らないケースです。

「弊社はどんな事業をしていると思いますか?」と聞かれて答えられない、会社のホームページに書いてある基本情報を知らない、業界全体の動向について全く無知といった状況では、「この人は本気で入社を考えているのだろうか」と疑問に思われてしまいます。

また、志望動機が曖昧で「なんとなく良さそうだと思った」程度の理由しか言えない場合も、準備不足が明らかになります。面接官は「どの会社でも同じことを言っているのでは?」と感じてしまいます。

さらに、基本的な面接マナーができていない場合も問題です。入室の仕方、お辞儀のタイミング、座る位置などの基本的なマナーは、準備しておかないと当日慌ててしまいます。

緊張で実力が発揮できなくなるリスク

面接は多くの人にとって緊張する場面です。準備をしていないと、この緊張が何倍にも増してしまいます。「何を話せばいいのかわからない」「質問されても答えられない」という不安が、本来の実力を発揮することを妨げてしまうのです。

特に、自己PRや志望動機といった基本的な質問に対して明確な答えを用意していないと、その場で考えながら話すことになります。緊張した状態でまとまりのある話をするのは、想像以上に困難です。

結果として、本来は魅力的な人柄や能力を持っているにも関わらず、それを伝えることができずに不合格になってしまうケースが多くあります。これは非常にもったいないことです。

基本的なマナーや流れが分からない恐怖

面接には一定の流れやマナーがあります。これを知らずに臨むと、予想外のことが起こったときにパニックになってしまう可能性があります。

例えば、グループ面接なのか個人面接なのか、面接官が何人いるのか、どのくらいの時間が予定されているのかなど、基本的な情報を知らないと不安が増してしまいます。

また、「何か質問はありますか?」という逆質問の時間があることを知らないと、「特にありません」と答えてしまい、積極性がないと思われてしまうこともあります。

面接準備の「適切なバランス」とは何か

準備すべき最低限のポイント3つ

効果的な面接準備は、実は3つのポイントに絞ることができます。

まず第一に、企業の基本情報と自分なりの志望理由です。企業のホームページを見て、どんな事業をしているのか、どんな価値観を大切にしているのかを理解しましょう。そして「なぜその企業で働きたいのか」を自分の言葉で説明できるように準備しておきます。完璧である必要はありません。自分なりの理由があれば十分です。

第二に、自分の強みと具体的なエピソードです。「私の強みは○○です」と言えるだけでなく、それを示す具体的な体験談を一つ用意しておきましょう。アルバイト、サークル、学業、ボランティアなど、どんな経験でも構いません。大切なのは、その経験から何を学び、どう成長したかを自分なりに振り返っておくことです。

第三に、基本的な面接マナーと流れの確認です。入退室の方法、挨拶の仕方、座る位置など、最低限のマナーをインターネットで確認しておきましょう。また、一般的な面接の流れ(自己紹介→志望動機→質疑応答→逆質問など)を頭に入れておくと、当日の不安が和らぎます。

準備しすぎて避けたい落とし穴

一方で、準備をしすぎることで起こる問題もあります。

最も避けたいのは、回答を一字一句暗記してしまうことです。暗記した内容をそのまま話すと、どうしても機械的な印象になってしまいます。大切なのは「要点」を覚えておくことです。話したいポイントを3つくらい決めておいて、その時の気持ちに合わせて自然に話せるようにしておきましょう。

また、想定質問を100個も200個も用意する必要はありません。基本的な質問(志望動機、自己PR、長所・短所、学生時代に頑張ったことなど)に答えられれば、他の質問にも応用できます。むしろ、想定外の質問に対しても「基本の考え方」で答えられる柔軟性を身に付けることの方が重要です。

さらに、企業研究も深掘りしすぎる必要はありません。面接官が驚くような細かい情報を調べるよりも、基本的な情報をしっかり理解して、自分なりの感想や考えを持つことの方が大切です。

自然体でありながら準備万端な状態の作り方

理想的な準備状態は「自然体でありながら、基本的なことには答えられる」状態です。

そのためには、準備した内容を「自分の言葉」に変換することが重要です。インターネットで見つけた模範解答をそのまま覚えるのではなく、自分の経験や感情と結び付けて、自分らしい表現で話せるようにしましょう。

例えば、志望動機を考える時も「御社の理念に共感しました」ではなく「○○という事業内容を知って、自分もそんな仕事に携わりたいと思いました」といった、より自然で具体的な表現を使うことを心がけてみてください。

また、完璧を目指さないことも大切です。「少し緊張してうまく話せないかもしれないけれど、誠実に自分の気持ちを伝えよう」という気持ちで臨む方が、かえって好印象を与えることが多いのです。

時間がない時の効率的な面接準備法

前日からでも間に合う3つのステップ

面接前日になって「何も準備していない」と気づいても、まだ間に合います。効率的な準備方法をご紹介しましょう。

ステップ1は、企業の基本情報の確認です。企業のホームページを30分程度見て、事業内容、企業理念、最近のニュースなどをざっと確認しましょう。全部覚える必要はありません。「この会社はこんなことをしているんだな」という大まかな理解があれば十分です。

ステップ2は、志望動機と自己PRの要点整理です。なぜその企業を選んだのか、自分の強みは何かを、それぞれ3つのポイントに絞ってメモしておきましょう。文章で書く必要はありません。キーワードだけで構いません。

ステップ3は、想定質問への答えを声に出して練習することです。鏡の前で実際に話してみると、話し方のクセや改善点がわかります。完璧に話せなくても、一度声に出しておくことで本番での緊張が和らぎます。

本番で想定外の質問が来た時の対処法

どんなに準備をしても、予想外の質問をされることがあります。そんな時も慌てる必要はありません。

まず大切なのは「少し考えさせてください」と言って、数秒間考える時間を作ることです。無理に即答しようとすると、支離滅裂な答えになってしまう可能性があります。面接官も、よく考えてから答える姿勢を評価してくれます。

答えがわからない場合は、正直に「申し訳ございませんが、その点について十分な知識がありません。もしよろしければ、教えていただけますか?」と言うのも一つの方法です。知ったかぶりをするよりも、素直に学ぼうとする姿勢の方が好印象を与えます。

また、完全に答えられない質問でも、関連する自分の経験や考えを話すことで、部分的にでもアピールすることができます。「その質問に直接お答えするのは難しいのですが、関連することで○○という経験があります」といった形で話を広げてみましょう。

面接当日に自然体で力を発揮するコツ

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緊張をほぐす簡単なテクニック

面接当日は誰でも緊張するものです。適度な緊張は集中力を高めてくれますが、過度な緊張は逆効果になってしまいます。

簡単にできる緊張対策として、深呼吸があります。面接会場に着いたら、ゆっくりと鼻から息を吸って、口からゆっくり吐くという深呼吸を5回程度繰り返してみてください。これだけで心拍数が落ち着き、リラックスできます。

また、「完璧でなくても大丈夫」という気持ちを持つことも重要です。面接官も人間ですし、完璧な答えを期待しているわけではありません。むしろ、等身大の自分を誠実に伝えようとする姿勢の方が印象に残ります。

さらに、面接を「試験」ではなく「会話」だと考えることも効果的です。面接官との対話を通じて、お互いに相性を確認する場だと思えば、自然と肩の力が抜けます。

準備した内容を自然に話すポイント

準備した内容を機械的にならずに話すには、いくつかのコツがあります。

まず、話す内容を「ストーリー」として組み立てることです。単なる情報の羅列ではなく、「こんなことがあって、その時こう思って、だからこう行動した」という流れで話すと、自然で印象に残りやすくなります。

また、感情を込めて話すことも大切です。「楽しかった」「大変だった」「やりがいを感じた」といった自分の気持ちを素直に表現することで、生き生きとした話になります。

さらに、相手の反応を見ながら話すことも重要です。面接官がうなずいていたら詳しく説明し、時間が押していそうなら要点を絞るといった調整ができると、会話としての自然さが生まれます。

最後に、完璧を求めすぎないことです。少し詰まったり、言い直したりすることがあっても、それは自然なことです。むしろ、そういった人間らしさが親しみやすさにつながることもあります。

まとめ

「面接準備をしない方がいい」という意見には一理ありますが、全く準備をしないのは危険すぎます。大切なのは適切なバランスを保つことです。基本的な企業情報、自分なりの志望理由、具体的なエピソードを用意しておけば、十分に面接に臨むことができます。完璧な回答を暗記する必要はありません。自分の言葉で、誠実に気持ちを伝えることを心がけましょう。時間がない場合でも、前日からの効率的な準備で十分に対応可能です。面接は自分をアピールする場であると同時に、企業との相性を確認する大切な機会です。準備と自然体のバランスを保ちながら、リラックスして臨んでくださいね。

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